【第1回】GPSで何がわかる?サッカーにおけるフィジカルの「見える化」

GPS活用×高校サッカー部
高校サッカーの現場において、フィジカルの強化は重要視されながらも、「何をどのように鍛えればいいのか」が感覚や経験則に頼りがちになる場面は少なくありません。そんな中、近年注目されているのがGPSデバイスの活用です。
選手が試合やトレーニング中に着用することで、「走行距離」「スプリント回数」「最大速度」「加速・減速回数」「高強度ラン・中強度ラン」などの客観的データを記録することが可能になります。これまで“なんとなく動けている”“頑張っていた”とされていたプレーが、**数値として「見える化」**されることで、評価と改善の精度が一気に上がります。
たとえば、同じポジションの選手2名がいたとして、走行距離は同じでもスプリント回数や加速・減速の回数に差がある場合、どちらの選手がよりインテンシティの高いプレーをしていたのかが明確になります。単に「たくさん走ったかどうか」ではなく、「どのような質で走ったか」に注目できるのがGPSの魅力です。
さらに、試合中の動きの偏りや負荷のかかりすぎた局面も可視化されるため、怪我のリスク管理やトレーニングの強度調整にも役立ちます。特に、加速・減速の回数が極端に多い選手は筋肉や関節にストレスがかかりやすく、リカバリーや補強トレーニングの対象として早期に対応することが可能になります。
指導者にとっても選手にとっても、「なんとなく良かった」「なんとなく走れなかった」という曖昧な感覚から脱却し、明確な数値をもとにトレーニングやフィードバックを行うことは、モチベーションにも直結します。GPSは、単なる評価ツールではなく、“伸ばす力”を可視化できる最強の味方と言えるでしょう。
次回は、ポジションごとに見えるデータの違いや、その活用法について具体的にご紹介していきます。
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