第2回:試合前後の食事戦略

アスリートにとって、食事は単なる栄養補給ではなく「勝負の一部」です。特に試合前後の食事は、パフォーマンスや回復に直結する重要な要素です。今回は、試合前と試合後、それぞれのタイミングで意識すべき食事のポイントを解説します。
■ 試合前の食事
試合で最高のパフォーマンスを発揮するには、万全のエネルギー状態で臨むことが必須です。そのために、試合の3~4時間前には炭水化物中心の食事を摂ることが推奨されます。炭水化物は筋肉にエネルギーとして蓄えられ、試合中の持久力や集中力を支えます。
ただし、脂質や食物繊維の多い食事は消化に時間がかかるため、腹持ちは良い反面、体内での消化吸収が遅れ、試合中に胃に残るリスクがあります。よって、消化の良い「うどん」「おにぎり」「バナナ」などが理想的です。あわせて、水分補給も大切です。発汗による脱水を防ぐために、食事と共に十分な水分やスポーツドリンクを摂っておくと良いでしょう。
また、試合開始直前にエネルギー不足を感じる場合は、ゼリー飲料やバナナなど、吸収の早い補食で調整するのも効果的です。
■ 試合後の食事
試合後の食事は「ダメージ回復」と「次の準備」が目的です。運動後すぐに、筋肉の修復に必要なタンパク質と、失われたグリコーゲンを補う炭水化物を組み合わせて摂取することが重要です。たとえば、プロテインドリンク+おにぎり、または牛乳+パンなどの組み合わせが、即効性のある回復食となります。
このタイミングは「リカバリーゴールデンタイム」と呼ばれ、運動後30分以内の栄養摂取が効果的であることが科学的にも示されています。固形食が難しい場合は、ドリンクタイプやゼリーでも構いません。
さらに、1~2時間後には、通常のバランス食を摂ることで、身体全体の回復が進みます。肉・魚・卵・野菜・主食などを揃えた「定食型」の食事がベストです。
食べるタイミング、食べる内容、それぞれがアスリートの準備と回復を左右します。練習と同じくらい「食事の質」も意識することが、継続的な成長へのカギです。
次回は「朝食の重要性とその具体例」について解説します。お楽しみに!
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トータルコンディショニングHIGASHI
2024年05月26日 00:00