第5回:水分補給とパフォーマンス

「水は栄養ではない」と思っていませんか?
水分はアスリートにとって、エネルギーと同じくらい重要な「見えない栄養素」です。水分が足りていないだけで、パフォーマンスは確実に落ちます。今回は、水分補給の基本と、パフォーマンスへの影響について解説します。
■ 脱水が与える影響
運動中の発汗により、体内から水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が失われます。これにより、次のような影響が生じます
・体温調整がうまくいかず、熱中症のリスクが上がる
・血流量が低下し、筋肉への酸素供給が減る
・集中力・判断力が落ちる
・筋肉のけいれんやパフォーマンス低下
体重の2%以上の水分が失われると、パフォーマンスは明らかに低下すると言われています。これは体重60kgの選手なら、約1.2Lの水分損失で影響が出るということです。
■ 正しい水分補給のポイント
1.こまめに、定期的に飲む
のどが渇いてからでは遅く、すでに脱水が始まっている可能性があります。15〜20分ごとに1回、100〜200mlを目安に補給するのが理想です。
2.運動前から準備をする
開始30分〜1時間前にコップ1〜2杯(200〜400ml)程度の水分を摂っておくと安心です。
3.運動中は“電解質入り”を選ぶ
汗で失われるナトリウムやカリウムを補うためには、水ではなくスポーツドリンクや経口補水液が有効です。
4.運動後は体重差で補給量を調整
練習前後で体重を測ることで、失った水分量を把握できます。体重1kg減=水1Lの補給が目安になります。
■ 飲み物の選び方
・日常生活 → 水・麦茶・牛乳など
・軽い運動 → 水・スポーツドリンク(薄めると◎)
・高強度、長時間運動 → スポーツドリンク(電解質+糖質入り)
・熱中症予防 → 経口補水液(OS-1など)
■ まとめ
「水分補給=命を守る習慣」。
特に夏場の運動や連戦の試合では、戦略的な水分補給が勝敗を左右するほど重要です。量・タイミング・内容を見直し、意識的な水分管理を習慣化していきましょう。
次回は「たんぱく質の摂り方とタイミング」について解説します。お楽しみに!
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