第7回:鉄分・カルシウムなど微量栄養素の重要性

三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)に注目が集まりがちですが、アスリートのパフォーマンスを支える“縁の下の力持ち”が「微量栄養素」です。中でも鉄分・カルシウムは、競技力・回復・成長のすべてに関わる重要なミネラル。知らずに不足すると、パフォーマンスの低下やケガのリスクにつながります。
■ 鉄分(Iron)|「酸素運搬」と「持久力」のカギ
鉄は、血液中のヘモグロビンを作る材料。ヘモグロビンは酸素を筋肉に運ぶ役割を担っており、鉄が不足すると酸素が十分に届かず、「走れない」「バテやすい」「疲れが抜けない」といった状態に。
特に以下の選手は鉄不足に注意が必要です:
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持久系競技(サッカー、陸上、バスケットなど)の選手
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成長期の中高生
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月経のある女性アスリート
■ 鉄分を多く含む食品(吸収の良い順): -
レバー(鶏・豚)
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赤身の肉(牛もも肉など)
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カツオ・マグロ
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あさり・しじみ
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小松菜・ほうれん草(植物性は吸収率が低いためビタミンCと一緒に摂ると効果的)
■ カルシウム(Calcium)|「骨づくり」と「神経の安定」
カルシウムは骨や歯の主成分。成長期の骨の強化だけでなく、筋肉の収縮や神経伝達にも深く関与します。カルシウムが不足すると、疲労骨折やけいれん、集中力の低下などを招くことも。
特に体重制限のある競技(体操・柔道・レスリングなど)では、エネルギー制限によりカルシウム不足が起こりやすいため、意識的な摂取が必要です。
● カルシウムを多く含む食品: -
牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品
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小魚(ししゃも・いりこ)
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大豆製品(豆腐・厚揚げ)
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小松菜・水菜・チンゲン菜
※ビタミンD(魚・きのこ類)と一緒に摂ると吸収が高まります
■ まとめ
微量栄養素は「少量でも身体に不可欠な栄養素」。
鉄やカルシウムが不足すると、練習を頑張っても成果につながりにくくなります。見えない栄養にこそ目を向け、バランスのとれた食生活を心がけましょう。
次回は「体づくりと増量・減量の考え方」について解説します。お楽しみに!
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