第9回:サプリメントの考え方

「プロテインを飲めば筋肉がつく?」「サプリを使えば疲れない?」
スポーツ現場ではさまざまな“サプリ神話”が存在しますが、正しい理解と使い方を知らなければ逆効果にもなりかねません。今回は、アスリートにとってのサプリメントの役割と注意点を整理します。
■ サプリメントとは?
サプリメントは“補助食品”のことで、「栄養を補うもの」です。あくまでも基本は日々の食事であり、サプリはそれだけでは身体づくりやコンディショニングに不十分です。
食事で足りない栄養素を“補完”する目的で使うべきものであり、「食事の代替」ではありません。
■ よく使われるサプリと目的
・プロテイン(たんぱく質補給)
→ トレーニング後の筋肉修復に最適。体重×1.5〜2.0gの摂取を目指し、不足分を補う形で活用。
・クレアチン(瞬発系パフォーマンス強化)
→ スプリントやジャンプ力向上、トレーニングの出力向上に効果的。競技特性に応じて導入検討。
・マルチビタミン・ミネラル(微量栄養素の補充)
→ 食事が偏る時期や合宿・遠征中に有効。ただし“サプリに頼りすぎ”ないことが前提。
・鉄サプリ・ビタミンD・カルシウム
→ 血液検査などで不足が確認された場合の補填に。医師や管理栄養士の指導のもとで使用。
■ サプリを使う際の注意点
1.品質と成分を確認
国内外には粗悪品やドーピングリスクのある製品も存在します。必ず第三者認証(Informed-Choiceなど)のある製品を選びましょう
2.過剰摂取は逆効果
ビタミンやミネラルでも、過剰摂取は肝機能障害や吸収阻害を引き起こす可能性があります。パッケージの用量を守ること。
3.“補う”意識を持つ
食事の質が低い状態でサプリだけを摂っても、本来の効果は得られません。まずは「食べる習慣・選ぶ力」を育てることが先決です。
■ まとめ
サプリメントは「アスリートの最後のひと押し」です。
食事・トレーニング・休養という3本柱の土台が整ってこそ、サプリの効果は発揮されます。情報に流されず、自分の状態や目的に合わせた正しい使い方を身につけましょう。
次回は最終回「試合期とオフ期の食事調整」について解説します。お楽しみに!
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