第10回:試合期とオフ期の食事調整

アスリートにとって、1年を通したコンディショニングには「食事の切り替え」が重要です。
トレーニング量・強度・目標が変わるタイミングに合わせて、食事内容や摂取量も柔軟に変える必要があります。今回は、「試合期」と「オフ期」の食事調整の考え方を整理します。
■ 試合期(大会直前〜本番期間中)
試合期は“最高のパフォーマンス”を出すための仕上げ期間。体脂肪を落とすよりも、疲労を残さず、集中力と持久力を保つ食事が求められます。
◎試合期の食事ポイント
・炭水化物を中心に(ごはん、パン、麺など)
→ エネルギー源として重要。練習量が減っても量は維持
・胃に優しい食材・調理法を選ぶ
→ 油っこい揚げ物・生もの・刺激物は控える
・ビタミン・ミネラルで疲労回復を促す
→ 緑黄色野菜、果物、海藻などを積極的に
・水分・塩分のこまめな補給
→ 発汗で失われる電解質を意識的に補給
■ オフ期(大会後〜リカバリー期)
オフ期は「身体を回復させる・リセットする」時期です。同時に、食事管理をおろそかにすると、体重増加・コンディション悪化にもつながるため注意が必要です。
◎オフ期の食事ポイント
・摂取エネルギーを練習量に応じて調整
→ 練習量が減る分、食事の「量」もやや控えめに
・筋肉量維持のためのたんぱく質は継続摂取
→ 肉・魚・卵・大豆製品を意識して確保
・疲労回復と内臓ケアのための消化に優しい食事
→ 和食中心、発酵食品、だし、煮物などが理想的
・間食・甘いものの量はコントロール
→ チョコ・スナック・ジュース類は「量」と「頻度」を意識
■ まとめ
年間を通じてベストコンディションを保つためには、「食べ方の切り替え」が不可欠です。試合期にはエネルギーと集中力を、オフ期には回復と調整を。食事を“固定したルール”ではなく、“変化に合わせて調整する技術”として捉えましょう。
これで「アスリートの栄養学」全10回が完結です。食事は“自分の身体をつくるトレーニングの一部”。日々の積み重ねが、未来のパフォーマンスに直結します。
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トータルコンディショニングHIGASHI