第6回:メンタルリカバリー(アスリート休養学 コラム)

〜心が整えば、身体も動く〜
アスリートにとって、「体の回復」だけでなく「心の回復」も極めて重要です。
緊張・プレッシャー・焦り・不安など、目に見えない疲労は、気づかぬうちにパフォーマンスを低下させます。
どれだけ身体が元気でも、心が整っていなければ最高の動きは引き出せません。
そこで今回は「メンタルリカバリー=心の休養」について、その意味と方法を紹介します。
■ メンタル疲労とは?
精神的な疲労は、次のような状態を指します:
・やる気が出ない/集中できない
・すぐにイライラする/落ち込む
・小さなミスが増える
・試合前に極度に緊張する
・夜になっても頭が冴えて眠れない
これらは「脳」が休んでいないサインです。
脳や神経もトレーニングで酷使されており、しっかりとリセットする必要があります。
■ メンタルリカバリーの主な方法
① デジタルデトックス
スマホ・SNS・動画などの情報から離れる時間を作る。
過剰な情報は脳を疲弊させます。
② 呼吸法・瞑想
深い呼吸で自律神経を整えることで、ストレス反応を抑制します。
短時間の瞑想も集中力と精神の安定に効果的です。
③ 自然とのふれあい
公園を歩く、景色を眺めるなど、自然環境は心を癒す力があります。
人工的な環境から離れる時間を持つことが、脳の回復に役立ちます。
④ 話す・書く
不安やモヤモヤを「誰かに話す」「紙に書く」ことで、頭の中が整理され、気持ちが軽くなります。
■ 睡眠は“最強のメンタルリカバリー”
前回も紹介したように、質の高い睡眠は脳の疲労回復に直結します。
睡眠中、脳は記憶の整理や不要な情報の排除を行っており、これはまさに「心の掃除」。
十分な睡眠は、次の日の集中力や判断力を確実に底上げします。
■ まとめ
・メンタル疲労は気づきにくく、パフォーマンスを大きく左右する
・情報から離れる、呼吸法・自然環境などが心の回復に効果的
・睡眠は心のリカバリーにも最強のツール
・身体と同じように「心のケア」を習慣化しよう
【次回予告】
第7回では、「成長期の選手にとっての休養戦略」をテーマに、中高生アスリートが意識すべき休養の考え方について詳しく解説します。
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