【第4回】競技力を高めるには“動ける筋肉”が必須

スポーツにおいて求められるのは、ただの「強さ」ではなく、プレーの中で“使える”筋肉です。ジャンプ、ダッシュ、方向転換、ブレーキ、シュート、パス……すべての競技動作は、連動性と瞬時の出力を伴います。このとき必要なのが、まさに“動ける筋肉”です。
たとえばサッカーでは、急な加速と減速、接触プレー後の立て直し、フィールド全体を駆け巡る持久性が求められます。ただ太い脚を持っているだけでは、これらの動作に即応することはできません。必要なのは、「タイミングよく力を出せる」「無駄なく力を伝えられる」神経-筋の連携と出力の精度です。
“動ける筋肉”は、**「筋力×可動域×スピード×安定性」**の掛け算で成立します。このうちどれか一つでも欠けると、競技力は著しく低下してしまいます。逆に、筋肉量が少なくても動きがキレている選手は、この4要素のバランスが高いレベルで整っていると言えます。
こうした機能的な筋力を高めるには、**「動作ベースのトレーニング」**が不可欠です。スクワットやランジなどの基本的な体の動かし方を正確に身につけたうえで、ジャンプ・スプリント・アジリティ・リアクションなど、競技に直結するメニューへと段階的に移行していく必要があります。
また、体幹や股関節まわりの“見えにくい筋肉”も、プレーの安定性を大きく左右します。これらの筋肉は、フォームや姿勢を保つ役割を担い、パフォーマンスとケガ予防の両方に直結します。つまり、「目立たないが重要な筋肉」こそ、アスリートにとって本当に必要な筋肉なのです。
“動ける筋肉”を鍛えることは、競技力向上の土台づくりであり、将来の伸びしろを広げる意味でも欠かせない投資です。見た目に惑わされず、「競技の中でどう活きるか?」を常に意識していくことが、真のアスリートをつくる鍵になります。
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