【第10回】“見せる筋肉”も“動ける筋肉”も両立はできる?

これまで、「動ける筋肉=アスリートに必要」「見せる筋肉=見た目重視」と分けて説明してきました。しかし、多くの若い選手やトレーニーから聞かれるのが「見た目も良くて、動ける体を作りたい」という声です。では、それは本当に可能なのでしょうか?
答えは「可能。ただし順番と目的意識が必要」です。
まず前提として、筋肥大(=見た目の変化)と機能性(=動作の質)は、同時に最大化しづらい関係にあります。特にトレーニング初期や、成長過程の段階では、「動作を覚えるフェーズ」と「筋肉を大きくするフェーズ」は切り分けて考える必要があります。
たとえばオフシーズンには、筋力の底上げや筋肥大フェーズを組み込みやすくなります。この時期に、正しいフォームで全身を使ったトレーニングを行うことで、見た目も変えつつ、動ける体のベースも作ることが可能です。一方、シーズン中は、瞬発力や敏捷性を維持・向上させるような“動ける筋肉”に特化したトレーニングが中心になります。
このように、時期や目的に応じて「見せる」と「動ける」を切り替えたり、バランスを調整することが鍵です。重要なのは、「カッコいい体」に惑わされず、「どう動けるか」を軸にして考えること。そして最終的に、“動けるカッコいい体”=パフォーマンスもビジュアルも備えた理想のアスリート像に近づくことが理想です。
両立は、時間をかけて、正しい方法で取り組めば必ず可能です。焦らず、ぶれず、土台を積み上げていきましょう。
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