【第5回】柔軟性・筋力バランスの崩れがもたらすリスク

アスリートにとって「柔軟性」と「筋力のバランス」は、パフォーマンスだけでなく、ケガ予防にも直結する重要な要素です。体がスムーズに動かない状態、あるいは左右の筋力に偏りがある状態は、動作に無理が生じ、結果としてケガのリスクを高めてしまいます。
特に目立ちやすいのが「下肢のアンバランス」です。たとえば、右脚の筋力が強く左脚が弱い、または片側のハムストリングが硬いなどの場合、ジャンプや着地・キック・スプリントの際にフォームが崩れ、膝・股関節・足首へのストレスが増加します。これが、シンスプリントや膝蓋腱炎、肉離れなどの原因になることがあります。
一方、柔軟性の低下も大きな要因です。股関節や胸椎の可動域が狭くなると、本来使うべき関節が動かなくなり、代償動作として他の部位に無理がかかります。これにより、腰痛や肩のインピンジメントといった障害も発生しやすくなります。
これらを未然に防ぐには、定期的な機能評価(アセスメント)が必要です。簡易的には、以下のようなチェックが効果的です:
・オーバーヘッドスクワット(全身の連動と可動域)
・ヒールアップテスト(アキレス腱〜ふくらはぎの柔軟性)
・シングルレッグブリッジ(左右の臀筋・ハムの筋力差)
評価結果をもとに、個別の補強やストレッチを設計し、フォーム改善やアンバランスの是正を図ることが、ケガ予防の核心となります。
単に「体が硬いからストレッチ」ではなく、「なぜ硬くなったのか?」「どこにアンバランスがあるのか?」を明らかにすることが、より安全で、持続可能なパフォーマンスの礎となります。
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