【第9回】チームで取り組むケガ予防

コーチ・選手・トレーナーの連携
ケガの予防は、個人だけの課題ではありません。指導者・選手・トレーナーがそれぞれの立場で役割を果たし、相互に連携することで初めて「チームとしてケガを減らす仕組み」が機能します。
まず、コーチ(指導者)の役割は「練習環境と設計の管理」です。過負荷にならないように練習内容・時間・強度を調整するのはもちろん、ケガにつながりやすい反復や、疲労が蓄積するサイクルに気づく“全体の目”が求められます。また、選手が「異変を言いやすい雰囲気」をつくることもコーチの重要な責務です。
一方で、選手自身も「気づく力」と「伝える力」を持つ必要があります。「痛いけど黙ってやる」「周りに言いにくい」環境では、軽い異変が大きなケガに発展するリスクが高くなります。日々のストレッチやセルフケア、違和感の記録、睡眠や食事管理も含め、ケガ予防は選手の“意識と行動”が要です。
そして、トレーナーは医学的知見と動作分析を用い、選手のリスクを客観的に見極め、適切な対処やリハビリプログラムを提供します。ただの施術者としてだけでなく、コーチ・選手と密にコミュニケーションを取り、全体の流れをつなぐ“橋渡し役”が求められます。
理想的な連携の形は、例えば以下のような流れです:
・練習後にトレーナーが選手を観察し異変を発見
・コーチに状況を共有し、翌日の練習内容を微調整
・選手自身も疲労感を記録・申告
・チームで情報を集約し、共通認識を持つ
このような“三位一体”の仕組みが、継続的なパフォーマンス向上とケガ予防の両立につながります。
ケガを“個人の問題”で終わらせない。チーム全体が一丸となって予防に取り組むことこそ、強く・長く戦える組織をつくる土台です。
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