身長が伸びる時期、トレーニングは同じでいいのか
成長期の選手を見ていると、
「最近、身体が硬くなった」
「前より動きがぎこちない」
「今までできていた動きがうまくできない」
そんな変化が見られることがあります。
もちろん、すべての選手に起こるわけではありません。
ただ、中学生から高校生にかけては、短期間で身長や体重が大きく変化する選手もいます。
この時期に大切なのは、以前と同じ身体としてトレーニングを続けないことです。
身長が伸びれば、同じ動きでも条件が変わる
身長が伸びれば、脚や腕の長さが変わります。
体重が増えれば、自分の身体を動かしたり、止めたり、支えたりするために必要な力も変わります。
つまり、身体が成長すれば、同じ「走る」「跳ぶ」「止まる」という動作でも、選手にとっての条件は変わります。
以前は問題なくできていた動きが一時的にぎこちなくなる。
切り返しで身体が流れる。
着地が安定しなくなる。
そうした変化が見られた時に、
「もっと頑張れ」
「身体が硬いからストレッチしよう」
だけで終わらせないことが重要です。
柔軟性だけではなく「動いた時の身体」を見る
成長期には、太ももやふくらはぎなどに張りを感じる選手もいます。
もちろん柔軟性の確認は必要です。
しかし、フィジカルを見るうえでは、それだけでは足りません。
股関節や足関節がどの程度動くのか。
片脚で身体を支えられるのか。
しゃがむ、走る、跳ぶ、着地する、止まるといった動作を安定して行えるのか。
実際にスポーツで使う動きの中で、身体の変化を見る必要があります。
大切なのは、
「硬いか、柔らかいか」ではなく、今の身体をどう使えているか。
という視点です。
成長した身体を動かすための筋力も必要になる
身体が大きくなれば、それを動かすための力も必要になります。
体重が増えたのに筋力が追いついていなければ、走る、止まる、跳ぶといった動作で以前とは違う負担がかかることもあります。
だから成長期の筋力トレーニングを、
「重たいものを持たせていいのか、悪いのか」
だけで考える必要はありません。
まず必要なのは、自分の身体を支えられること。
正しい姿勢で力を出せること。
地面へ力を伝えられること。
そして、競技で必要な動きの中でその力を使えることです。
選手の成長段階やトレーニング経験に合わせながら、必要な筋力を段階的につくっていくことが大切です。
痛みを「成長期だから」で終わらせない
成長期には、膝や踵などに痛みが出ることがあります。
そこで注意したいのが、
「成長痛だから仕方がない」
と片づけてしまうことです。
身長がどのくらい伸びているのか。
練習量が急に増えていないか。
ジャンプやダッシュの量が増えていないか。
身体の動き方が変わっていないか。
睡眠や食事は十分か。
痛みが出ている場所だけではなく、その選手の成長と負荷を一緒に見る必要があります。
痛みを我慢して練習を続けることが、必ずしも選手のためになるとは限りません。
成長期だからこそ、トレーニングを変える
成長期は、身体が大きく変わる時期です。
だからこそ、
「今までこのトレーニングをやってきたから、そのまま続ける」
ではなく、今の身体に合っているかを定期的に見直す必要があります。
身長・体重を確認する。
身体の動きを見る。
必要な筋力をつける。
練習やトレーニングの負荷を調整する。
痛みがあれば早めに対応する。
成長そのものをコントロールすることはできません。
でも、成長していく身体に合わせてトレーニングを設計することはできます。
「前はできていたのに、なぜできなくなったのか」
そんな変化が見えた時こそ、選手の努力だけを見るのではなく、まず身体がどう変わっているのかを見る。
それが、成長期の選手にフィジカルトレーニングを行ううえで大切な考え方です。
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