試合の翌日、子どもは練習しても大丈夫? 疲労と回復の考え方
週末に試合があり、翌日からまた学校や部活動が始まる。
サッカーをはじめ、スポーツに取り組む子どもたちにとって、珍しいスケジュールではありません。
試合後に「疲れていない?」と聞いても、「大丈夫」と答えることがあります。
しかし、本人が元気だと言っているからといって、身体が十分に回復しているとは限りません。
反対に、疲れているから必ず練習を休まなければならないというわけでもありません。
大切なのは、試合でどのような負荷がかかり、現在の身体がどのような状態にあるのかを考えることです。
試合に出た時間だけで疲労は判断できない
例えば、80分間出場した選手と、後半の20分間だけ出場した選手。
一般的には、長く出場した選手の方が運動量は多くなると考えられます。
しかし、実際の身体への負荷は出場時間だけでは決まりません。
短い時間でも、スプリントや急激な加速・減速を繰り返していれば、筋肉や関節には大きな負荷がかかります。
また、試合前のウォーミングアップ、前日までの練習、連戦の有無なども関係します。
私がGPSデータを確認する際にも、走行距離だけでなく、高速走行やスプリント、加速・減速などを組み合わせて評価しています。
同じ試合に出場していても、選手によって身体にかかる負荷は違うのです。
家庭だからこそ気づける身体の変化
保護者の方に見ていただきたいのは、試合中の動きだけではありません。
試合後から翌朝にかけて、普段と違う様子がないかということです。
例えば、いつもより疲れた様子が続いている。睡眠が十分に取れていない。食欲が落ちている。歩き方が普段と違う。
こうした変化は、身体の状態を考えるための手がかりになります。
特に注意したいのは痛みです。
筋肉全体に感じる一般的な筋肉痛と、膝や足首など特定の場所に生じる痛みは、同じように扱うべきではありません。
痛みを我慢して練習を続けることが、必ずしも選手の成長につながるわけではありません。
痛みが続く場合や、腫れ、歩行時の痛みなどがある場合には、無理に運動させず、医療機関での評価も必要です。
休むこともトレーニングの一部
身体能力は、トレーニングで負荷を与えることだけで向上するわけではありません。
負荷に対して身体が適応するためには、適切な栄養や睡眠、回復の時間が必要です。
米国小児科学会も、若い選手の過度なトレーニングを防ぐために、定期的な休養と十分な睡眠、栄養の重要性を示しています。
ただし、回復のために毎回完全な休養が必要とは限りません。
身体の状態によっては、軽い運動やストレッチなどを取り入れる場合もあります。
一方で、強い疲労や痛みがある時には、負荷を下げたり、練習を休んだりする判断が必要になります。
重要なのは、練習するか休むかの二択ではなく、その日の身体の状態に合わせて運動の強度や量を調整することです。
保護者と指導者で情報を共有する
チームの指導者が確認できるのは、主に練習や試合での選手の様子です。
一方、家庭では睡眠や食事、帰宅後の疲労など、指導現場では分かりにくい変化を見ることができます。
例えば、試合翌日に強い疲労が残っている場合、その情報が指導者に伝われば、練習内容を調整する判断材料になります。
反対に、家庭での様子だけでは、実際にどれくらいの運動負荷がかかっていたのか分からない場合もあります。
だからこそ、保護者と指導者が情報を共有することには意味があります。
子ども自身が、疲労や痛みを正しく伝えられるようになることも大切です。
子どもの成長を、練習量だけで考えない
スポーツに一生懸命取り組んでいる子どもほど、練習を休むことに不安を感じる場合があります。
もっと練習した方が上手くなるのではないか。休んだら周囲との差が広がるのではないか。
そう考えることもあるでしょう。
しかし、身体の状態を無視して練習を積み重ねても、期待した効果が得られるとは限りません。
フィジカルトレーニングでも、負荷を高める日と回復を優先する日を考えながら、全体の計画を組み立てます。
これは、競技レベルに関係なく大切な考え方です。
保護者の方に、専門的なトレーニング知識をすべて理解していただく必要はありません。
普段の様子を知っているからこそ気づける変化があります。
子どもがどれだけ練習したかだけでなく、その練習に対応できる身体の状態にあるか。
その視点を持つことが、長くスポーツを続け、身体能力を高めていくための支えになると考えています。
トータルコンディショニングHIGASHIができること
トータルコンディショニングHIGASHIでは、チーム・選手の現場に寄り添いながら、科学的根拠に基づいたフィジカルサポートを提供しています。
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