トータルコンディショニングHIGASHI|鹿児島県鹿児島市

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【第3回】スプリントだけじゃ“速くならない”(サッカーフィジカル コラム)

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本当に速くなるために必要なこととは?

「速くなりたいから、たくさん走る」 これは一見正しく思えるかもしれませんが、実は多くの選手がここで“伸び悩みの壁”にぶつかります。なぜなら、「ただ走る」だけでは、スプリントに必要な“出力”や“加速力”が鍛えられないからです。

スプリントとは、瞬間的に大きな力を地面に伝えて体を前に押し出す動作です。そのために必要なのは、単なるスタミナや走行距離ではなく、1歩目で“前に進む力”=爆発的な筋出力と加速動作です。
たとえば、地面を強く蹴るためには、ハムストリングスや臀筋(お尻)、ふくらはぎなど下肢の大筋群の“パワー”が不可欠です。さらに、力を逃さず地面に伝えるためには、体幹の安定性や軸のブレない姿勢も求められます。

これらを鍛えるには、単に「走る」だけでは不十分です。必要なのは、ウェイトトレーニング(クイックリフト系)、プライオメトリクス(ジャンプ系)、そして加速ドリルの三位一体のトレーニングです。
① ウェイト:クリーンやスナッチなどで地面に力を伝える下肢パワーを強化
② プライオ:ジャンプランジやバウンディングなどで“反発力”や“力の切り返し”を養う
③ 加速ドリル:スタートダッシュや坂ダッシュなどで、実戦的な1歩目の加速を習得

この3つの柱をバランスよく取り入れることで、「ただ走るだけ」では得られないスピードの土台が作られていきます。

特に育成年代では、“スピード=センス”と思われがちですが、スピードは鍛えられる能力です。逆に、筋力や出力を無視して「フォーム」だけを追い求めるのもNGです。まずは出力を高める基礎トレーニングから始めることが、将来のスプリント能力を大きく左右します。

速くなりたいなら、走るだけで終わらないこと。
それが「本当にスピードを上げたい選手」がやるべき最初の一歩です。



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◆フィジカルテスト
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◆トレーナー帯同
─ 試合・合宿・遠征先でのケア、テーピング、ウォーミングアップ、リカバリー対応まで、現場対応が可能。

◆GPSデータ分析
─ データに基づいたポジション別の運動量評価や、試合後の個別フィードバックを提供。

アスリートの「今」に目を向け、「未来」の成長をサポートするために。フィジカル強化やケガ予防に関するお悩みがある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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身体を変える・未来が変わる
トータルコンディショニングHIGASHI
2025年07月26日 00:00

【第2回】ポジションで必要な筋力は違う(サッカーフィジカル コラム)

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全員が同じ筋トレでいいのか?

「チーム全員が同じ筋トレメニューをこなす」そんな風景は、部活動やクラブチームでは今も一般的です。しかし、サッカーはポジションごとに求められる動きが違い、それに伴って必要な筋力や身体の使い方も異なります。

たとえば、センターバック(CB)とフォワード(FW)を比較してみましょう。
CBには、ゴール前で競り合うための上半身の押し返す力(プレス力)や、地面からの力を効率よく伝えるための体幹の安定性、股関節のブレない支持力が求められます。空中戦や対人で負けない「止まる力」が重要です。

一方FWは、裏への抜け出しやトラップ後の一歩目で勝負が決まるポジション。瞬発的な加速力、減速して止まるブレーキ力、ジャンプ後の着地安定性など、爆発力と切り返しの鋭さが求められます。

このように、ポジションごとに「使う筋肉」「出力する方向」「タイミング」はすべて違います。にもかかわらず、全員が同じトレーニングを繰り返すと、
・鍛えるべき部位に刺激が入らない
・不要な筋肥大により動きが鈍くなる
・自分に合わない動作でフォームを崩す
といった逆効果にもなり得ます。
とはいえ、すべての選手に完全に別々のメニューを与えるのも、育成年代では現実的ではありません。ポジションが定まっていない選手や、動きの基礎を身につける段階では、「同じ内容を丁寧に反復すること」も大切な時間です。

重要なのは、ベースとなる共通メニュー(体幹・骨盤・肩甲骨周囲など)に対して、ポジション特性を少しずつ加える工夫です。

たとえば・・・
CB:ブルガリアンスクワット+チューブで押し込み動作
FW:スプリントランジ+左右のジャンプ系(ラテラルバウンド)
このように目的に沿った種目を1~2つ加えるだけでも、動作は大きく変わってきます。

筋トレの目的は「鍛えること」ではなく、「試合で動きを発揮すること」。
そのためには、“全員同じ”から一歩踏み出し、「この選手はどこで勝負するのか?」という視点から、筋トレを“設計”していく必要があります。



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身体を変える・未来が変わる
トータルコンディショニングHIGASHI
2025年07月24日 00:00

【第1回】走力UP=“長く走る”じゃない(サッカーフィジカル コラム)

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サッカーに必要な「短く × 速く × 繰り返せる」体

「もっと走れる選手にしたい・・・」そう思ったとき、まず“走り込み”を連想する指導者や選手はまだまだ多いかもしれません。しかし、現代サッカーで求められる“走力”は、昔ながらの「長く一定ペースで走る力」とはまったく別物です。

90分間で動き続けるサッカーですが、その中で本当に勝負を決めるのは「一瞬のスプリント」「2〜3秒の切り返し」「一歩目の出力」といった短時間の爆発的な動作です。そして、それを**何度も繰り返せる持久力(リピート力)**が求められます。

つまり、今のサッカーで必要なのは、「短く速く×繰り返せる体」です。これを鍛えるためには、単に距離をこなす走り込みでは不十分で、むしろ逆効果になることもあります。遅いスピードで長時間走ると、筋出力やフォーム効率が下がり、「速く動く能力」が低下してしまうことさえあるのです。

走力向上には、“狙いを持った設計”が必要です。

具体的には、
・10〜30mのスプリント
・疲労時に行うインターバルダッシュ
・急加速・減速を含むアジリティトレーニング
・上半身・下半身の連動強化(コアトレーニング)
などを、スプリント技術・筋出力・リカバリー時間まで考慮しながら設計していくことがカギになります。

そして、このような「短く速い動作×繰り返す力」は、根性ではなく“設計”でつくるものです。GPSなどの客観データを活用すれば、どの場面で動きが鈍るのか、試合中に何本スプリントできているか、どの時間帯に落ちているのかが明確になり、改善ポイントも見えてきます。

サッカーにおける走力は、マラソン選手のような走りではありません。
ゲームに影響を与える「瞬間の速さ」と「持続的な爆発力」こそが武器になる。その視点を持つことで、あなたのトレーニングは進化します。

40mスプリントを繰り返す
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身体を変える・未来が変わる
トータルコンディショニングHIGASHI
2025年07月22日 00:00

【第10回】GPSで“チーム全体が強くなる”使い方とは(GPSコラム)

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チーム全体のパフォーマンス向上
GPSデータは個々のパフォーマンスを数値化するツールとして注目されていますが、本当に価値があるのは、「チーム全体のパフォーマンス向上」に活かす使い方ができたときです。個人のデータをチームで共有し、指導・意識・連携の全体最適化につなげていくことで、チームとしての競争力は確実に上がっていきます。

たとえば、ある高校サッカー部では試合ごとに全選手のGPSデータを取得し、ポジションごとの平均値を毎回提示しています。「サイドハーフの高強度走行比率は10%以上が目安」「FWのスプリント回数は15回以上が基準」といった“チーム内スタンダード”を数値で明確化。これにより、選手同士の競争意識が高まり、パフォーマンスの底上げが実現しました。

さらに、選手自身が自分の強み・弱みを理解することで、「自分はどんな役割を担っているのか」「チーム内でどのように貢献できているのか」という自覚が生まれます。結果的に、GPSデータが戦術理解やプレー意図の共有にも役立つのです。

また、データを共有することで、選手同士の「声かけ」も具体的になります。「今日は高強度の出力少なかったな」「もっと後半にスプリント出した方がいいよ」といったフィードバックが、自然とピッチ上で交わされるようになりました。これはチームの成熟度が上がった証でもあります。

もちろん、ただ全員に同じように走らせるのではなく、ポジション・役割ごとの適切な目標設定が必要です。そのためには、コーチ陣がデータの意味を正しく理解し、選手に伝える言語を持っていることが前提になります。

GPSは「チーム全体のフィジカル戦術を作るツール」にもなり得ます。個人の課題を改善するだけでなく、ポジションバランスの調整や戦術的配置の検討にも活用できるのです。

データは個人のものではなく、チームの武器になる。
GPSを「評価ツール」ではなく、「育成ツール」として活用する視点こそが、チームを一段上のステージへと導く鍵になります。



GPSデバイスベスト(デバイスブラジャー)を着けた状態のハーフタイム
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トータルコンディショニングHIGASHI
2025年07月20日 00:00

【第9回】個別対応トレーニングの組み立て方(GPSコラム)

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データ×現場感の融合
GPSデータを活用したフィジカル指導の本質は、「個別最適化」にあります。チーム全体で同じメニューをこなすだけでは、選手それぞれの課題には対応しきれません。データを軸にしながら、“現場で見て感じる”情報と組み合わせて、選手に最適なトレーニングを組み立てていく。それが私たちのアプローチです。

たとえば、試合でスプリント回数が多いにもかかわらず、トップスピードに到達できない選手がいたとします。GPSでは「頻度」や「最大速度」は見えても、その背景にあるフォームの崩れや力の使い方まではわかりません。そこで現場での観察が重要になります。「上体のブレが大きい」「股関節が抜けている」など、実際の動きの癖を踏まえて、個別トレーニングへと落とし込むのです。

逆に、データから“意外な課題”が見つかるケースもあります。ある選手は一見するとよく動いている印象がありましたが、GPSでは高強度走行比率が極端に低いことが判明。映像を確認すると、試合中の多くの移動が「中途半端なジョグ」だったことがわかりました。この場合は、“切り替えの意識”と“強度の出し方”をテーマにしたメニューを設計し、意識改革からスタートしました。

このように、GPSデータ=数値+映像+観察の組み合わせで、選手の本質的な動き方に迫ることができます。そして、それをもとに「何を伸ばすか」を明確にしたうえで、選手の性格やポジション、疲労度も加味しながら個別のフィジカルプランを作っていきます。

重要なのは、数字だけに振り回されないこと。現場感覚と照らし合わせることで、データはただの“結果”ではなく、“気づきのヒント”になります。

GPSを使いこなすとは、「見える数字」を「動かす力」に変えること。そのためには、個別対応の視点を持つことが、チーム全体の底上げにもつながる鍵になるのです。


仲間がデバイスをつける。ここでのコミュニケーションが大きい。一言アドバイス。
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2025年07月18日 00:00

【第8回】DF選手の「加減速」に注目したケガ予防対策(GPSコラム)

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実際に指導したDF選手の事例

ディフェンダーは試合中に何度も「止まる・動き出す」という急な切り返しを要求されるポジションです。特に1対1の対応やラインコントロール時には、高頻度の加速・減速が生じ、それが身体に大きな負荷を与えています。今回は、GPSデータから見えたリスクとその対策について、実際のDF選手の事例を紹介します。

この選手はセンターバックとして試合にフル出場。走行距離は6.3kmと他ポジションより少なめながら、加速/減速の合計はなんと110回を記録。特に自陣ペナルティエリア周辺での細かいポジショニング修正や、クロス対応での急反応によって、短距離での加減速が高頻度に発生していたことが分かりました。

試合後のリカバリーでは、両ハムストリングスと内転筋に強い筋緊張があり、フォーム的にも“止まり方が甘く、勢いで止めている”傾向が確認されました。これは、筋力バランスの乱れや着地コントロールの未熟さが影響していた可能性が高いと考えられます。

そこで翌週のトレーニングでは、**「減速動作にフォーカスしたフィジカル強化」**を導入。ジャンプからの片足着地制御や、方向転換の際の“静止→切り返し”に対する筋コントロール練習を取り入れました。また、加速と減速のタイミングをセットで鍛えるインターバルドリルも併用。

数週間後の試合では、加減速回数は維持しつつも、「減速後の踏み込み時間が短縮」されており、GPSデータ上も“動き出しの滑らかさ”が増した形になりました。主観的な疲労感も軽減されたとのフィードバックがあり、単なる「回数」ではなく、「動作の質」まで改善できた好例です。

DFはピッチの最後の砦であり、瞬間的な判断力と安定した動作が求められるポジション。GPSで見える「加減速」の数値は、動きの激しさだけでなく、ケガ予防やフォーム改善の指標としても非常に有効です。

加速・減速の実際のデータ
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2025年07月16日 00:00

【第7回】中盤選手の「運べる力」を高めた分析&トレーニング(GPSコラム)

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実際に指導した中盤の選手の事例

GPSを活用したフィジカル指導は、ただ数値を追うだけではなく、プレー特性を明らかにし、それを伸ばすトレーニングへつなげることが目的です。今回は実際に指導した中盤の選手の事例を紹介します。

この選手はセンターミッドフィールダーとして試合に出場。走行距離は8.6km、スプリントは10本と数字だけを見ると平均的な内容でしたが、試合の映像とGPSを照合して分析したところ、「ボールを受けてからの前進距離」が短く、前への推進力=運べる力が足りていないことが分かりました。

特に後半、攻撃時の加速度と高強度走行比率が落ち込み、「チームが押し返される時間帯」に中盤でギャップを埋めきれていない場面が見られました。これを本人に伝えると、「走ってはいたけど、意味のある走りができていなかった」と納得の様子。

その後のトレーニングでは、「加速→前方へのボール運び→減速からのパス選択」という流れを強調したインターバル形式のメニューを導入。短距離ダッシュと中強度の切り替えを組み合わせた「運ぶ力」にフォーカスした内容で、数週間後の試合では高強度走行比率が8%→11%に改善。ボール保持時の推進距離も増加しました。

この事例のポイントは、「数値上の平均値」だけでは見落としがちな特性に、GPS+プレー映像の照合で気づけた点です。そして、選手自身も「自分のプレーの弱点」に早期に気づき、明確なトレーニングで修正できたという流れが理想的でした。

GPSを使ったフィードバックは、選手の“気づき”を生み出し、そこからの変化を加速させます。中盤のような多機能ポジションでは、特に**「質のある運動量」を見極めること**が重要です。数値を鵜呑みにするのではなく、背景にあるプレー内容を掘り下げることが、フィジカル向上への第一歩です。

MFのGPSデータ一例(各試合と比較できるようにしてます)
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2025年07月13日 00:00

【第6回】試合後24時間以内のGPSフィードバックで何が変わるか?(GPSコラム)

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GPSデータの真価が発揮されるのは、**速やかなフィードバック**
中でも重要なのが、「試合後24時間以内」に選手へ返す振り返りです。

試合当日、選手は感覚的に“なんとなく良かった・悪かった”という印象を持っています。その記憶が新しいうちに、客観的な数値を提示できることが、学習と修正のスピードを大きく高めます。

たとえば、試合翌日にGPSデータをもとに「スプリント回数が前半に偏っていた」「後半に加減速の回数が激減していた」などのフィードバックを受けた場合、選手は「あの場面か」とピンと来やすく、具体的な改善行動に結びつきやすくなります。

私たちの現場では、試合当日にGPSを回収し、夜のうちにデータを処理。翌朝の集合時や個別ミーティングで、「可視化された強度」を確認します。
フィードバックは以下のような簡易スタイルで伝えることが多いです:

・スプリント数:○本(前半○:後半○)

・高強度運動比率:○%

・加速/減速合計:○回

・最高速度:○km/h

・コメント例:「前線プレスは継続して良かったが、後半のリトリート時の加速が少なかった」など



個人フィードバックの一例(実際のデータ・目標値・評価をわかるようにしてます)

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こうした「データ+短文コメント」を組み合わせることで、選手は自分の強みと課題を同時に認識しやすくなります。
さらに、フィジカル面での変化も追いやすく、リカバリーや負荷調整にも繋がります。

大切なのは、「数値を早く出すこと」よりも、「記憶と結びついたフィードバックで選手の気づきを促すこと」。
試合の記憶が新鮮なうちに、GPSという“数字の鏡”を見せることが、成長スピードを加速させる鍵になります。




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2025年07月06日 00:00

【第5回】加速と減速(GPSコラム)

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加速と減速のデータが教えてくれること
サッカーはただ走るだけのスポーツではありません。実際には「止まる」「急に動き出す」その繰り返しです。そこで重要になるのが、**加速(Acceleration)と減速(Deceleration)**のデータです。GPSを活用することで、この動作回数や強度が数値化され、パフォーマンスや怪我リスクに関わる“動作の質”が見えてきます。

まず加速について。たとえば0km/hから一気に25km/hまで駆け上がる加速力は、前線での抜け出しやプレス時の出足に直結します。特にFWやSHでは「1歩目の速さ」が勝負を分けることが多く、加速データはプレー強度の指標になります。

一方、減速は守備や切り返し時に重要な指標です。DFやMFがボールホルダーに寄せたあと、急にブレーキをかけて反転する、こういった場面で減速能力が試されます。頻度が高い選手ほど、筋力・関節への負荷も大きく、怪我のリスクにもつながります。

たとえば、ある高校の試合で計測されたデータでは、MFの選手が「加速・減速合計130回(試合中)」を記録。これは通常の2倍に近い数値でした。なぜか?ボール奪取の場面や中盤の切り替えで、常に前後左右に動き直す役割を担っていたのです。

こうしたデータは単なる運動量では測れない「負荷の質」「身体へのストレス」の可視化に役立ちます。しかも、加減速データが高い選手ほどプレーへの関与度が高い傾向にもあります。

指導現場では、この加減速の数値をもとに、リカバリープランや補強トレーニング、フォームの改善まで広げていくことが可能です。たとえば、後半に減速力が落ちている選手は、ハムストリングや股関節周辺の筋持久力に課題がある可能性もあります。

GPSデータは「ただ走ったか」ではなく、「どんな動きに、どれだけ負荷がかかったか」を示すツール。加速と減速のデータを活用することで、選手のプレーの裏側にある課題や強みを、より深く理解できるようになります。


加速と減速の実際のデータ。現時点で一番重要なポイントとしてチェックしてます。

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2025年06月29日 00:00

【第4回】スプリントが多ければ良いのか?(GPSコラム)

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“質”を見るGPS活用術

GPSデータを見たとき、多くの指導者や選手が真っ先に注目するのが「スプリント回数」です。確かにスプリントはパフォーマンスを左右する重要な要素であり、数が多いに越したことはないように思われがちです。しかし、スプリントの「量」だけに注目していると、肝心な「質」の評価を見落としてしまう可能性があります。

スプリントは単に“速く走る”という動作だけでなく、「どの場面で、どの方向に、どの強度で、何の目的で走ったか」によって意味が大きく異なります。GPSデータでは、25km/h以上を「スプリント」と定義することが多いですが、それが“効果的な動きだったかどうか”はデータだけでは判断できません。

例えば、90分間でスプリントが20本あった選手と、10本だった選手がいたとします。一見すると20本の方が高く評価されそうですが、10本のスプリントすべてが“ゴールに直結する裏抜け”であった場合、むしろ少数精鋭のスプリントの方が評価に値します。

また、試合の前半と後半でスプリントの質がどう変化したかを見ることで、「持久的なスピード維持力」や「メンタルコンディション」も読み取れます。たとえ回数が少なくても、後半まで質を落とさずに出せている選手は、フィジカル的にも優秀であると判断できるのです。

指導者がGPSを活用する際に大切なのは、「数字の背景にあるプレーの質」を読み取る視点です。スプリントのタイミング、持続時間、前後のプレーとの関係などを総合的に評価することで、ただ“走るだけの選手”と、“効果的に走れる選手”を見極めることができます。

GPSは数値を与えてくれますが、その意味づけをするのは人間です。私たち指導者がプレーの意図や価値を汲み取り、数字とプレーを結びつけてフィードバックを行うことで、選手は本当の意味で「走る意味」を理解し始めます。

スプリントは、数だけで語ってはいけない。
それがGPSを活用した“質を見る”指導の第一歩です。

データの一部
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